Techbook編集部

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「2017年に考える」と題して、2017年1月&2月の期間で連載を用意しました。第2回目は「GoogleとFacebookの最近の動向」がテーマです。

2017年に考える 第1回「コンテンツの信頼性とは?海外では虚偽ニュース(Fake News)が問題に

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マーケターの方であれば、オンライン広告や、その効果測定には興味関心がありますよね?

この分野は日々進化を続けており、その進捗をすべて追い続けることは、専門家でもない限り、困難と言えるでしょう。

オンライン広告の分野では、検索大手のGoogleおよびSNS大手のFacebookが市場を占有しており、この2社の動向さえある程度把握しておけば、必要十分な状況とも言えます。

今回は、両社が2016年にどのような動きを見せてきたのかについて、要点をまとめてご紹介していきます。

過去1年を振り返った上で、2017年はどのような動向が予想されるのでしょうか?(GoogleとFacebook・・・。IT界の二大巨頭からは目が離せません。)

1.GoogleとFacebookが独占?オンライン広告の現状

冒頭でもお伝えした通り、現在グローバルな視点下では、GoogleとFacebookが、オンライン広告市場の過半数の広告を独占していると言われています。

すでに多くの海外メディアが、こうした指摘を繰り返してきましたが、今回はVisual Capitalistが作成している図表を参照してみましょう。

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出典:Visual Capitalist

こちらは、2015年のオンライン広告シェアの内訳です。右側の円グラフで、Googleが約41%のシェア、Facebookが約16%のシェアを保有していることが分かります。

これらを合算すると2社あわせて約57%のシェアを保有するということになりますが、現状2社のオンライン広告分野における伸びは絶好調といえ、2014年から2015年にかけては、Googleが対前年約16%、Facebookが対前年59%の伸びを示していることが見て取れます。
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出典:DLDconference

また、こちらはDLDconferenceで放映されているFacebookのオンライン広告収入を、オフラインの代名詞とも言える雑誌と比較してグラフ化したものです。

青い方がFacebook、グレーのほうが雑誌ですが、2010年時点では両者の間に大きな隔たりがあったものの、2014年には、Facebookがほぼ雑誌に追いつき、2015年には追い越してしまいました。

先のFacebookの成長率からすれば、こうした状況は2016年、さらに加速していると考えて良いでしょう。

2.GoogleとFacebook、2016年の動き

GoogleとFacebookのオンライン広告分野が、これだけ成長している原因はどういったものなのか、ということが気になってきたところかと思います。

もちろん、多くの消費者がスマートフォンを持つようになり、人々がインターネットに接続しやすくなったという環境面の整備は間違いなくありますが、それだけでは両社が選択される理由にはなりません。

GoogleにしてもFacebookにしてもそうですが、圧倒的な利用者数が土台としてあった上に、オンライン広告分野をさらに伸ばすため、絶え間ない努力を怠っていません。

例えば、Facebookは2016年4月に、パブリッシャーたちによるブランデッドコンテンツの配信を許可する方針をとりました。

日本でもYouTuberの人気は随分と前から高まりを見せ、その数も増えています。

またYouTuberのみならず、特に多くのファンを持つ個人のパブリッシャーは、時にインフルエンサーと呼ばれ、注目を集める存在になりつつあります。

パブリッシャーにとっては、さらなる増収を目指すため、ブランドや企業との関係性を深め、自身のページや、チャンネル等でこれらを宣伝したいというニーズが出てきていましたが、Facebookのこうした動きは、双方にとってメリットが期待できる制度として注目を集めました。

また、2016年の大きなトピックとして、「Accelerated Mobile Pages」(いわゆるAMP)がついに実現されました。これは、Googleがかねてから推し進めてきたプロジェクトであり、ウェブページの高速表示が期待できます。

すでに、国内でも多くのメディアなどが導入しているAMP対応ですが、ページ表示速度の高速化だけでなく、オンライン広告表示の高速化も期待でき、ユーザーにとっても、そして広告出稿側にとっても、メリットの多い施策と言うことができます。

3.動画市場でもしのぎを削るGoogleとFacebook

GoogleとFacebookのオンライン広告に対する注力は、これだけにとどまりません。

eMarketerは、「US Spending on Paid Media Expected to Climb 5.1% in 2016」という記事の中で、2017年にはオンライン広告がテレビ広告を追い抜くとの試算をはじき出しています。

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出典:eMarketer

こちらは、2015年と2020年の各種広告のシェアです。2015年には、オンライン広告とテレビ広告が肉薄していますが、2020年にはオンライン広告がテレビ広告を10%以上も引き離しています。

オンライン広告とテレビ広告の逆転減少は2017年から起こり、特にGoogle傘下のYoutube動画広告は、2017年に25.9億ドルに達するとされています。

GoogleとFacebookは特に、動画広告に注力をはじめています。たとえば、YouTubeは2016年にライブ配信機能における4K動画をサポートしたほか、360度映像のライブストリーミングでも4K画質をサポートしました。

一方のFacebookも、2016年6月には360度写真機能をリリースするなど着々です。また、12月には360度動画のライブ配信機能「Live 360」もスタートしています。

4.Google、アドブロックへの対策は?

オンライン広告は、情報の発信者側にメリットがあることが多く、広告を煩わしいと感じるユーザーの中には、「アドブロック」と呼ばれる広告非表示ツールを導入している方もいます。

一方で、メディア運営者は、広告収入などによってメディア運営を行っている以上、ユーザーにそうしたブロックツールを導入されてしまっては、運営そのものが危うくなります。

ユーザーが広告のブロックを積極的に導入している現状を受けて、広告主、ユーザーの双方が今後も快適にインターネットを行っていけるよう、GoogleやFacebookをはじめとした複数のIT関連企業が、オンライン広告の改善団体「The Coalition for Better Ads」を立ち上げたことも、2016年の大きなトピックです。

現時点において、その具体的な方針は固まっていませんが、これまでもGoogleは、「Google Play」で公開されたアドブロックアプリを削除するなどしてきた経緯があるだけに、その動向には注目が集まります。

・・・このように、オンライン広告市場は2016年だけでも大きな変動、進化を見せてきました。

特に、2017年は米国市場において、オンライン広告がテレビ広告を上回るとされており、数年前の状況から考えれば、パラダイムシフトが起こる年でもあります。

今回は触れませんでしたが、FacebookはVR事業にも力を入れており、VRという新たなフロンティアにおいて、どのような戦略でを推し進めるかにも注目が集まります。

当然、VR市場が活性を見せていけば、VR内のオンライン広告市場も伸びていくことが予想されます。どちらにしても、GoogleとFacebook・・・。IT界の二大巨頭からは目が離せません。

2017年に考える 第1回「コンテンツの信頼性とは?海外では虚偽ニュース(Fake News)が問題に

文/ビル・C・エヴァンス
編集/テックブック清水拓也

毎日。テクノロジーやデジタルマーケティングetc.をテーマに。

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