織田晃輔

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今後、市場全体で、1800億ドルまでの成長が見込まれているVR/AR。

ますます発展が期待されるVR/AR技術について、「いま」何ができるのか?を、前編ではご紹介致しました。

※前編はこちら「VOYAGE GROUPの若き2人に聞いた「VRのいま」―1800億ドルのフロンティアを追う

さて今回も、VRの「これから」について、引き続き、2016年10月にVOYAGE GROUPでVR室を新設した伊藤さんと清さんにお話を伺いました。

これからVRがどのように進化していくかを、間近に迫った「数年後」、VRの本格的な普及が始まる「近未来」、それ以後を「未来」に分けて、お二人の意見を交えながら語っていただきました。

VRの世界に飛び出しフロンティアを追う人々は、VRの「これから」に何を見ているのでしょうか?

【数年後】手頃な価格で本格的なVR体験ができる

伊藤さん(以下、敬称略):本格的なVR体験を自宅でするためには、高い費用が掛かります。現在、VRコンテンツやツールを観るための仕組みは、PCで処理させ、ヘッドマウントディスプレイに投影するという形をとっています。

そこで、必要になってくるものとしては、一般的なブラウジングを行うには、過剰なスペックのPCと、大がかりなVR機材です。

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※VR機器の調整をする伊藤さんと、PCの調整をする清さん

それらを合わせて買うと、どうしても10万円~30万円ほどの支出になってしまいます。初期費用の高さが、VRの普及を妨げている理由の一つになっていると思います。

清さん(以下、敬称略):私個人の感覚としては、この高価なハードウェアに関する課題は、これから数年のうちに、早ければ1~2年のうちに解決されると考えています。

例えば、Windows Holographicという新しいブランドがあって、これはVR機器自体が300ドルくらいで、PCの方が大体500ドルくらいですから、合わせて1000ドル以下で、現在のハイエンドなVR体験ができるようになると考えています。

Windows Holographicのデモ動画

伊藤:それから徐々に、日本でもコストを抑えた、ハイエンドなVRが販売されるようになるので、一般的な家庭に、普及するようになってくるのは、早くて5~6年後だと思います。

【近未来】本格的なVR体験をスマホのような手軽さで

伊藤:今後は、スマホとハイエンドなVR機器が融合する時代がやってくると思います。そして、より手軽に、スマホをいじるような感覚でVR体験ができるようになっていくと予想します。

その際に、鍵になるものが「トラッキングの方法」です。トラッキングとは、自分の頭の位置や、ヘッドマウントディスプレイの位置を認識する機能のことで、頭や体の動きに連動した状態を映し出すためのものです。

現在はカメラによるものや、センサーによるものを、部屋のどこかに、一つもしくは複数設置することによって、これを行っています。

しかしこれだと、どうしても一定以上の空間を用意しなければならず、またVRを手軽に楽しむための障害になってしまいます。

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※今回使用したトラッキング装置

これを解決するのが、「インサイドアウトのトラッキング」です。これはヘッドマウントディスプレイ自体がセンサーを持っており、現在のトラッキングと同じように、自分の動きに連動して、映し出すことができるようになります。

これによって、現在の大がかりなトラッキング装置や、一定以上の広さの確保をせずに、自由に歩き回れるVR体験ができるようになります。

これが実用化されるというのは、まさしく革命と呼べるでしょう。

清:いずれトラッキング装置だけではなく、VRに関わる処理を行っているPCなどの存在もなくなっていくと思います。

それは、処理を行うブレーンとしてのPCと、外部モニターとしてのヘッドマウントディスプレイという位置づけが変わって行くためです。

最終的に、ヘッドマウントディスプレイに、VR体験をするためのすべてが集約されるようになってくるでしょう。その後も、スタンドアローンで機能するVR機器は、より小さく、薄くなっていくと思います。

【未来】さらなる進化を遂げるVR技術「ARとVRの融合」

伊藤:まず「AR」は「Augmented Reality」の略称で、日本語では「拡張現実感」または「拡張現実」と訳されます。昨年大流行した「ポケモンGO」などがこの技術を使っており、大変注目を集めました。

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※スマートフォン向けゲーム「Pokemon GO」http://www.pokemongo.jp/より引用)

ARとVRは、発想は異なるのですが、仕組みは同じところが多いです。空間認識することと、3Dオブジェクトを両目に認識させるという点で共通しているので、今後ARとVRは融合して、更に面白いものを生み出していくことが考えられます。

また、その融合したものをMRという言葉で表しています。MRは「Mixed Reality」という言葉の略なのですが、これはまだまだ定義も曖昧で、多くの人が研究をしている段階にあります。

清:MRですが、この図を見て貰えれば、より理解しやすくなると思います。

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現実(Reality)と仮想現実(Virtual Reality)軸の両端において、その間はすべてMRと考えます。つまり「ポケモンGO」はARであり、同時にMRでもあるので、ひし形の動点で言えばAR軸の範囲のどこかに位置します。

また、この「AV」とは、何かというと「Augmented Virtuality」の略で「拡張仮想感」とも言います。

現実世界に仮想のオブジェクトを映すAR(拡張現実)とは逆の概念で、仮想空間に現実のオブジェクトを映す技術です。

この「AV」という技術では、仮想空間に、現実のモノを持ち込むことができるようになります。例えば、あるゲームにおいて、目に映る全ては仮想なモノだけれども、手に持ったコントローラーだけは現実のモノである、ということが可能になります。

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※「MR図」を使って解説をする清さんと伊藤さん

伊藤:このMRという技術を自在にコントロールできるようになれば、ヘッドマウントディスプレイを外す必要性がなくなり、どれが仮想のモノで、どれが現実のモノかが分からなくなる時代がやってくるでしょう。

VRは、間違いなく今後我々の行動様式を大きく変えていく技術領域です。

どんな可能性があるか、一緒に考えていければと思いますので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にお問い合わせください!

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↑今回、取材にご協力いただいた VOYAGE GROUP VR室さん のブログです。

VRに関して、VOYAGE GROUP VR室さんにお問い合わせをされたい方は、こちらへどうぞ。

(『VOYAGE GROUPの若き2人に聞いた「VRのこれから」―1800億ドルのフロンティアを追う』はここまでです。)

この記事は、前編「VOYAGE GROUPの若き2人に聞いた「VRのいま」―1800億ドルのフロンティアを追う」のつづきの記事です。前編も是非、ご一読ください。

(文/テックブック織田 晃輔)