世界を自分の足で歩き、自分の目で見ることを楽しむ「旅人」・・・そんな旅人たちと、企業をマッチングさせ「旅×シゴト」という考え方を生み出した人たちがいます。
前回に引き続き、旅人と企業のマッチングを支援する「すごい旅人求人サイトSAGOJO」のサービスを運営する、株式会社SAGOJOの新拓也さんにお話を伺ってきました。
リリース以後、躍進を続ける「SAGOJO」ですが、その原動力は一体なんなのでしょうか。他のサービスと一線を画す、ユニークなやり方とは?
SAGOJOが行っているサービスの、4つの特徴をご紹介します。
1.ユニークなコンテンツを作る旅人にフォーカス
今のクラウドソーシングは、一般的に主婦などの、自宅作業をメインとする層の人々にコンテンツ制作を依頼していることが多いです。
しかし、SAGOJOでは「外に向かって、移動する」というモチベーションを持った人である「旅人」に依頼しているので、彼らの存在を活かした、他のクラウドソーシングではできないコンテンツを作ることができます。
自ら移動して、知見を広げ、実体験を以てコンテンツ制作をしてくれる人を抱えるメリットとしては、1つに、情報の網羅性を高められることです。
例えば、「全国の観光スポットの情報を集めるシゴト」を例にあげてみます。
人が集まるところであれば、自然とスポット情報が蓄積されますが、そうでないところの情報まで網羅しようとすると、途端に情報が集まりにくくなります。
このように、すでに沢山のスポット情報を持っているメディアであっても、抱えている課題はあります。
SAGOJOを使うことによって、まだあまり注目されていない場所についての情報をまとめてくれる人に依頼することができるのです。
※依頼掲載ページの図(トップページ)「SAGOJO すごい旅人求人サイト – サゴジョー」
また、全世界の情報を集めるときに、今までのクラウドソーシングでは、海外在住者との繋がりを全世界に持たなければなりませんでしたが、移動してくれる人がいれば、その必要はなくなります。
旅人が国を超えて移動し、各地の情報を横断して集めてくれるからです。
このように、移動してくれる「旅人」を抱えることは、メディアの課題を解決するのに役立つのです。
2.旅人とクライアントが納得する丁寧なマッチング
こんなにも多くの方にSAGOJOを使っていただけるのは、丁寧なマッチングを心がけているからだと思います。
丁寧なマッチングとは、まず、旅人のディレクションをしっかり行うことです。
履歴書レベルの書類選考ののち、必要があれば一人ずつ面談を行います。選考が終わった後も、旅人ひとりひとりと向き合い、旅人のモチベーションが高く維持されるように気をつけてシゴトを依頼するようにしています。
※旅人とリアルに話ができる場を設ける試みとして行われたバーの企画の様子。詳しくは、前編の記事に掲載中。
前編『4,000人が登録する「すごい旅人求人サイト」ーSAGOJOが歩んだ軌跡と展望』
また、クライアント様に対しても、より多くの旅人を集める方法をご提案させていただくなど、「どのような目的で旅人を必要としているのか」というところから一緒になって考え、コンサルティングさせていただいております。
このように掲載から応募、マッチングまでを自動化せずに、マッチングまでの過程を細かく設けることで、よりスキルが高く、モチベーションも高い旅人をアサインできる仕組みを作っています。
3.一次情報にこだわったコンテンツを提供する
「旅人がつくるコンテンツはいいですよ」と言えるように、コンテンツの質は継続して担保していきたいと思います。SAGOJOを通して生み出されるコンテンツは、実際にその場所まで足を運んで作られているので、どれも一次情報とオリジナル素材による、説得力のあるものです。
検索して出てきたものをそのまま記事にするのではなく、オリジナルの、まだ世間に出て無いものを掘り起こして、人を動かすようなコンテンツを発信していくメディアにしよう、一緒にコンテンツを作ろう、といった提案ができるようにもなるので、この点はしっかりと、こだわっていきたいと思います。
また、これは個人的な意見にはなりますが、近年様々なところで「メディアの信頼性を問う」などのような論争が見られます。
私はやはりメディアに携わる中でその必要性を強く感じてきたので、メディアの信頼を取り戻し、メディア企業ってかっこいいな、という文化を作っていけたら良いなとも思っています。
4.旅人の持つ可能性を引き出し、成長を促す
我々は、「どうすれば旅人が集まってくれるか」についてのノウハウなど、旅人に対して、どこよりも多くのことを知っているように努めています。
※個性的な旅人や「旅×シゴト」に関する情報を紹介するオウンドメディア「すごい旅研究所」
今までも、旅人のことをよく研究、ディレクションし、保有するスキルに合った依頼をするようにしてきました。しかしそれだけでは、一定のスキル水準を満たしている旅人にしかシゴトを依頼できず、すべての旅人にシゴトを紹介することができません。
いずれは、この状況を打開し、旅人の能力開発に取り組んでいきたいと思っています。
そこで、まず動き出しているのが、旅人たちのスキルセットの可視化です。旅人個人の、人柄やスキルも含めた全体像を知るために、現在プロフィールページの拡充を行っています。旅人にとってもポートフォリオサイトになるようなクオリティにしたいと思っています。
これにより、旅人ひとりひとりについてより詳しく知ることができ、ご依頼できる案件の幅を広げることができます。
※今回、取材にご協力いただいた株式会社SAGOJOの新拓也さん。
↑「SAGOJO すごい旅人求人サイト – サゴジョー」さんはこちらです。
(『【SAGOJO流】価値あるコンテンツを生み出す4つの極意』の記事はここまでです。)
このインタビュー記事は二本立てで、前編「4,000人が登録する「すごい旅人求人サイト」ーSAGOJOが歩んだ軌跡と展望」も掲載しています。合わせてご一読下さい。
文/テックブック 織田 晃輔