降矢悠司

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連日のように誌面を賑わせ、2017年も話題に事欠かない「AI」というキーワード。

幅広い分野で活用が進む一方で、実態はまだまだ見えないというのが、正直な感想ではないでしょうか?

しかし、デジタルマーケティングの領域でも確実にAIの活用は進み、例えばサイト分析・改善ツールも日々進化を遂げています。

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今回ご紹介する「Juicer」は、様々なサービスを展開するサイト分析・改善ツールです。

可愛らしい見た目も魅力的ですが、ビッグデータとAIの掛け合わせで描く未来にも、注目が集まります。詳しいお話を、株式会社PLAN-Bの西岡 彩織 様に伺いました。

270万人分!?ビッグデータの可能性

Juicerを立ち上げるきっかけは、サイト制作等の受託案件をやっているうちに、「自分の理想とするアクセス解析データの分析ツールを作りたい」といったものでした。

「GoogleAnalyticsってなんであんなに見づらいん?」といった所からのスタートだったので、「とにかく分かりやすいサイト診断ツール」から始まりました。
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それから、開発当時にキャッチーだった、ビッグデータ。これを最初期から取り入れた理由も、Web担当者の方々にとってより「解像度の高い」分析ができるのでは、という期待からでした。ペルソナの自動生成や、口コミデータを活用したインサイト分析なども、多種多様なデータがあるからこそ実現できた機能です。

そこで、クライアントさんに使っていただきながら、膨大なデータを蓄積していくという構想を実現するため、無料でより多くの業種業態の方に利用していただくというコンセプトで進めていくようになりました。

そして、ここ最近はデータの量や質、鮮度の拡大に力を入れてきました。そのかいがあって、3月末のアップデートで、個人の趣味嗜好等が紐付いているデータが270万人分に増えました。

このデータをかけ合わせたら、すごい量になるのではないかと。

データの活用として将来的にやりたいことは、競合になりえない業種や業界で、ユーザーの興味関心や、成功体験という部分を共有することです。

そのためにサイト内のソースから、業種業態を自動で分類するというアルゴリズムを作成しました。

例えばランドセルメーカーが4月までに使い終わったユーザーセグメントのデータを、次は学習塾に提供するとか。同じユーザーセグメントに対してアプローチができるネットワークができたら、と考えています。

また同業種内でも、北海道と大阪のお花屋さんは競合になりえません。まだまだビックデータの可能性は広がっていくと思います。

AIでより深い解析を実現することが、Juicerの目標

AIは、先ほどの業種業界の分類と、ユーザーの年齢性別等の分類に取り組んでいます。

業種業界の分類については、どこまでコンテンツを読み込めば正確に判定できるのかという部分の精度向上を日々行なっております。

ユーザーに対しては、クライアントのサイトに訪問する1ユーザーに対して、行動、閲覧履歴等から属性を推定することを今しています。そこに正解データが加わって、AIが学習をしていく。

今は形になってきているんですけど、正解データがより少ない状態でも精度を上げられるように、ロジックを改良していきたいと考えています。

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更にその先は、どこまでユーザーを適切にしぼり込めるかといったところも、突き詰めていくことになると思います。その粒度の行き着く先は、1to1になるのかなとも考えています。

そのためのアプローチとしても、データの総量を増やすといった方法と、そのデータを利用した推定アルゴリズムの精度を上げていくといった方法の両面から今後もアプローチしてゆきます。

2つの目玉機能を引っさげて、Juicerはどこへ行く?

色んなデータソースを混ぜるといったコンセプトから名付けられたJuicerは、社内で制作する初めてのプロダクトです。

UIのデザインは、使いやすさも考え、とてもこだわっているポイントですね。

Juicerを利用してくださる企業は増えてきました。導入もドメインで1万くらい、タグも設置が急激に増えてくれています。

これからはオプションサービスもリリースしていく予定ですが、現在はABテストの完全代行サービスを提供しています。実施計画のプランニングからクリエイティブの制作、A/Bテストの実施・運用までおまかせいただくサービスで、サイト内をパーツ単位で最適化することで大きな成果を目指します。

最近の事例だと、京都の着物レンタル店のABテストが、非常に大きな成果が出ました。

コンバージョンのボタンの訴求内容を変えたことが、効果に直結しましたね。そう考えると、ABテストは、Web担当者の方がご多忙だったり、社内に制作の部門がない企業さんにも使いやすいと思います。
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3月のバージョンアップの他にも、これからいくつか開発を進めていきます。特に今年は、リードナーチャリングとマジカルターゲティングという機能を軸に進めています。
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リードナーチャリングは、クライアントのサイト内でのコンバージョン見込みをフェーズで切って、フェーズ毎の熱量に対して施策を出し分けるという機能です。

マジカルターゲティングは、約270万人分のデータを活用して、非常にニッチな部分までユーザーを絞り込んで、ターゲティングする。非常にニッチな部分というのは、人の肌質とか、飼っている動物という言葉通りの細かさで。そこを「マジカル」って名付けています。

今後もWeb担当者の方にとっての使いやすさという点を大切に、ご利用いただける機能をどんどん増やしていきます。

(『ビックデータ×AIの可能性ーJuicerが描く未来のサイト解析とは?』はここまでです。)

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↑今回取材にご協力いただいた、株式会社PLAN-Bが開発する「Juicer」はこちらから。

文/テックブック降矢悠司