2017年に入り、ますますチャットボットがその注目度を上げています。
ECサイトで商品を購入する時やホテルの予約など、私たちの生活の中でもチャットボットが活躍の場を広げているのをご存じでしょうか?
企業が顧客とのコミュニケーションを重要視するなかで、人の手を介さずにチャットボットを通じて良い顧客体験を作り上げる挑戦は、これからもどんどん進んでいくことでしょう。
こうしてチャットボットが盛り上がりを見せ始める中、簡単にチャットボットを作ることができるツール「hachidori」を打ち出した会社があります。
今回は、hachidori株式会社の伴さんにお話を伺ってきました。
チャットボットの今と未来、そしてhachidoriが描く今後の展望について、ご紹介いたします。
なぜ今?チャットボットが注目される理由とは
実はチャットボット自体は以前からありましたし、チャットボットが提供できるサービスも、既存のサイトやアプリケーションで利用可能でした。
ではなぜ今チャットボットが注目されるのかと言うと、LINEやFacebookがAPIを公開したことが大きいと思います。
APIは最初にWeChatが公開を始めて、それに追従するかのようにLINEやFacebookも公開を決めました。
こういった動きから、今後SNSやメッセージアプリ上に独自の経済圏が出来上がっていくことは、想像に難くありませんでした。
チャットによるコミュニケーションがさらに広がっていき、そのうちボットに置き換わるところは絶対出てくると思ったのです。
またAPIの公開は、会社としてのhachidoriが現在の形になるきっかけにもなりました。
もともと我々は、ペットのオーナー同士のコミュニケーションアプリをリリースして運営していました。ボット自体も、アプリの中に入れていたのが始まりです。
しかしメッセンジャーアプリのWeChatが、アプリの中にボットを入れだしていたので、それなら我々のアプリ内でボットを走らせるだけではなく、WeChatにも入れようということになりました。
また、その時に気づいたことがありました。そもそもチャットボットを作るのは面倒だということです。「それなら簡単にチャットボットを作れるサービスがあったらいいよね。」ということで、ここでようやくhachidoriというプロダクトを打ち出す機会が訪れたわけです。
最初の事業とは大きく離れていましたが、その後もちょうど良いタイミングで、LINEやFacebookがAPIを公開するということもあり、徐々にhachidoriが利用されることが多くなり、最終的に会社自体もhachidoriとして認知されるようになりました。
そのような経緯もあり、hachidoriはもともとサービス名でしたが、社名になったのです。
チャットボットでできること
↑チャットボットが秘める可能性について語る伴さん
これから日本でもWeChat経済圏のようなものは、確実に出来てくると思います。
企業にとっても、ユーザーと直で密な関係を作れるチャネルというのは重要で、ダイレクトマーケティングツールとして、やはりLINEに目を向けざるを得なくなってくるでしょう。
そこで、ある程度のやり取りを自動化するチャットボットの出番なのですが、チャットボットにも得意不得意があります。
得意分野としては、航空券の予約のようにある程度絞られているものの中から、おすすめを提供するのみたいなのは得意です。反対に、Amazonのような膨大なアイテムの中からおすすめを選ぶ、というのは検索の方が使いやすいと言えるかもしれません。。
「お問合せ」に関しては、非常に相性がいいです。最近はFAQは、読まれなくなってきてしまっていると思います。
しかし、間にボットが入って、窓口に誘導してあげることにより、FAQで答えられるものは答えてあげるし、そうでないものは人にエスカレーションしてあげる、というのはできるようになると思います。
あとメディアも得意だと思います。例えば、あるコンテンツを閲覧してもらったのが分かったら、それに関連したおすすめのコンテンツを、ダイレクトマーケテイングしてあげるというような感じで動くことが多くなるでしょう。
他には、インバウンド向けにも、チャットボットは強いです。今後チャットボットは、いままでのパーソナルコンシェルジュの役割を代行することができるようになるので、非常に相性がいいですね。
チャットボット、そしてhachidoriが見据える未来
チャットボットが優れているところの一つは、ユーザーとのタッチポイントを把握できる点です。
ユーザーが購入に至るまでのすべての過程を把握することができますし、何に興味があるかというデータも回収ができます。
今後は、それらのデータを使った仕事もできるかもしれません。
私たちhachidoriは様々なクライアント様にサービスを提供しています。
例えば現在、エボラブルアジア様の航空券発行サービスに関する仕事をお手伝いさせておりますが、大きな市場にを見据えていた矢先に、タイミング良くお話をいただけたことは非常にありがたかったです。
他にも、人材や不動産をはじめとする多くのクライアント様にもhachidoriを使っていただいており、今後ともhachidoriを大きく飛躍させていきたいと思っています。
チャットボットがこれから迎える未来としては、ボット同士の連携が行われるようになるのかなと考えています。
例えばお客様が航空券が欲しいと思った際、航空券予約仲介のチャットボットに話しかけます。その後、そのボットが今度はホテル予約仲介のボットに話しかける、というのも十分あり得ることだと思います。
そこには、人が介在しません。今までは人がやっていたことをどんどんボットに代替させていくというのが、今後さらに盛んになっていくのではないでしょうか。
私たちhachidoriも、そこを目指していきたいです。
またごく近い将来の話をすれば、チャットボットを使って決済を媒介する流れは確実にくると思います。
大企業から中小企業まで課題を抱えているところは多いので、hachidoriとしてそれらを解決するお手伝いに携わっていきたいと思っています。
そのためにも、今後とも数多くのプロダクトをリリースしていく予定ですので、是非注目していただければと思います。
(『注目度が高まるチャットボットーhachidoriが見据える新たな未来とは?』はここまでです。)
↑今回取材にご協力いただいた株式会社hachidor様のサービス「hachidori」はこちら
文/テックブック織田 晃輔