Techbook編集部

マイクロモーメント

AppleのiPhoneが発売されてから10年。スマートフォンは私たちの生活に欠かせないツールとなり、日本人の50%以上がスマートフォンを所有していると言われている

Amazonや楽天などのEコマースも年々身近になってきているが、日本のオンラインショッピングのうち49%がモバイル経由であるというデータもある。(全モバイル商取引の90%がスマートフォン)

スイッチ1つで画面が立ち上がり、ポケットに収まるサイズのスマートフォンを使って調べものをするという読者も多いことだろう。

そのような状況のなか、Web検索の世界で業界をつねにリードしてきたGoogleが、今の時代に即した新しいコンセプトを提唱した。

マイクロモーメント(Micro-Moments)だ。

Googleの公式ブログによれば、マイクロモーメントの定義はこうだ。

「何かをしたい」という意図が生じたとき、すぐに目の前にあるデバイスを使って調べる・買うといった行動を起こす瞬間を意味する。そしてこの瞬間は、生活者が何かを決断したり、ブランドに対する好みを形成する大切な瞬間でもある。

それでは、Google公式ブログを参考にしつつ、もう少し詳しくマイクロモーメントについて見ていこう。

XXXしたいと思った瞬間=マイクロモーメント

電車での通勤途中、旅行先をテーマにした車内広告を目にすることがある。

先日、私が電車に乗ったときには、自然豊かな秩父の神社が特集されていた。その写真が目に入った途端に「ここに行ってみたい」と思い、ポケットに入っていたスマートフォンで「秩父 行き方」と調べたのを覚えている。

この例のように、「行きたい」、「知りたい」、「したい」、「買いたい」などの欲求を感じ、行動を起こす瞬間こそがマイクロモーメントなのだ。

検索に使うツールがPCからスマートフォンに変わりつつあるいま、ブランドやサービスの認知度に大きく関わるマーケティングの分野も、このマイクロモーメントを活かすような施策が求められる可能性がある。

マイクロモーメントを活かしたマーケティングで大切なコト

では、マイクロモーメントを活かしたマーケティングでは、どのような事を心がける必要があるのだろうか。それには大きく分けて3つある。

1. マイクロモーメントを掴む

まず1つ目は、ブランドにとって大切なマイクロモーメントを見逃さないことだ。

私たちの毎日の生活のなかで、マイクロモーメントが発生する回数は数えきれないほど多くある。そのため、マーケターはこれまで以上にアンテナを大きく張り、想像力を働かせる必要がある。

XXXしたいと思った瞬間、つまりマイクロモーメントに私たちが何をしているか・・・手にしているのは、スマートフォンだ。

マーケターは、生活者がスマートフォンで覗き込む画面への幅広いリーチを獲得し、最適化されたクリエイティブを駆使して、マイクロモーメントを掴むことが大事だ。

2. 最適な情報を最適なタイミングで届ける

2つ目は、最適な情報を最適なタイミングで届けることだ。

マイクロモーメントはあくまで「瞬間」であり、その後すぐに消えてしまうこともありうる。欲求を感じた瞬間に、最適な情報をどのように届けることができるのかを考える必要があるだろう。

3.マイクロモーメントを活かす施策の効果測定

最後に、マイクロモーメントを活かす施策の効果測定を行うことも重要だ。

Google公式ブログには、こう書いてある。

「マイクロモーメントを活かした施策を効果測定するためには、広告想起率やブランド認知度の測定、検索率の測定などが効果的である」

Googleは、「ブランドリフト調査」と「サーチリフト調査」という2つの調査を提供している

ただ、マーケティング施策全体に、何らかの効果測定ツールがすでに導入されているケースが多いと思う。

そのためマイクロモーメントの効果測定だけを行うことは考えにくいが、既存のツールを活用しつつ、Googleが提供する2つの調査を使ってみるのも良いかもしれない。

マイクロモーメントの活用方法

それでは、マイクロモーメントを活かすことで実際にどのような効果を期待できるのだろうか。

2つの活用方法を考えてみよう。

1. ブランド認知の獲得

まず考えられる活用方法として挙げられるのが、マイクロモーメントを活かしたブランド認知の獲得だ。

先ほど述べたように、マイクロモーメントは生活のなかで膨大な数が発生する。さらに、その生みの親である生活者のバックグラウンドも実にさまざまだ。

しかし、生活者はスマートフォンを常に持ち歩いていることを忘れてはならない。最近では、スマートフォンが集めたデータによりサイト訪問者がどのような人か、その時どこにいるのかなどを把握できるようになった。

そのような生活者のコンテクストを理解し、彼らのマイクロモーメントを的確に捉え、適切な情報を与えることでブランドの認知を上げることができるだろう。

2. リレーションの向上

マイクロモーメントを活用することで、見込みユーザーとのリレーションを向上させることも可能だ。

特にモバイルアプリはユーザーとの貴重な接点であり、それを上手く作り込むことでマイクロモーメントを捉え、彼らとのリレーションをさらに強化することもできるだろう。

Google公式ブログでは、リレーションシップを強化できるアプリの特徴として3つ挙げている。

1.まずは、シンプルでわかりやすく、生活者のニーズにしっかりと応える品質の高いアプリであること。

2.コンバージョン・フローが完結であること。例えば、実際にアプリで何かを買おうとしたタイミングで、人力情報が多ければ生活者は離脱してしまう。

3.ディープ・リンクなどのリテンション施策を活用し、生活者をできるかぎりアプリに誘導するなど、生活者を定着させる策が施されていること。

スマートフォンが急速に普及するいま、生活者のマイクロモーメントを捉えることは、ブランド認知を上げ、リレーションを向上させる有効な手段の一つだ。

それだけに、マイクロモーメントは注目を集めている。

Google公式ブログを参考にして、マイクロモーメント活かすマーケティング施策を実行してみてはいかがだろうか。

参考文献&引用文の出典:Google AdWords 公式ブログ「Google と考える Micro-Moments(1): マーケターにとって見逃せない瞬間「Micro-Moments」とその活かし方

文/ピート・C・ドハーティ
編集/テックブック清水拓也

毎日。テクノロジーやデジタルマーケティングetc.をテーマに。